沖縄の住宅によくある「花ブロック」のメリット

沖縄の住宅に多い花ブロックとは?

沖縄県の住宅の特徴としては、木造住宅ではなく鉄筋コンクリート造が多いということや、屋根が平らになっているという点が挙げられます。
それに加えて、「花ブロック」を多用しているというのも特徴です。
沖縄の住宅街を歩いて家々を眺めてみると、主に2階のベランダ付近に穴が開いているブロックが使われていることに気付くはずです。
その穴はさまざまな柄になっていて、文字通り花の形状をしているものもあれば、唐草模様のようなデザインになっているものもあります。
こうした穴あきブロックのことを、沖縄では花ブロックと呼びます。

花ブロックを使っている家は昔に建てられた住宅に多いですが、最近の家でもかなり多く使われています。
官公庁の建物でも外壁に花ブロックを多数あしらっているケースも見られ、まさに沖縄の文化的な建物の象徴と言えます。
花ブロック、つまり穴あきブロックは本州でも塀に利用されることがありますが、沖縄のようにどこに行っても花ブロックが見られ、しかも外壁など住宅そのものに使用しているというケースは少ないでしょう。

花ブロックを付けるメリットとは?

花ブロックを付けるメリットしては、完全にブロックでバルコニーや塀で覆ってしまうよりも、穴が開いている分風が通るという点が大きいです。
沖縄は年間を通して気温が高いですが、風が十分にありますので、通風を上手に考えれば家の中でも快適に過ごせます。
エアコンを設置している家庭がほとんどですが、風通しをよくすることでエアコンを稼働させなくても過ごせるというケースも多いのです。
そのためには、花ブロックによって通風を確保することが大事なわけです。

もちろん、通風を考えれば何も家の周りを覆うものを置かないのが一番です。
しかし、そうすると家の中が外から丸見えになってしまいます。
そこで、穴は開いているものの遮蔽物となる花ブロックを置くことで、通風を確保しつつ目隠しができるというわけです。

花ブロックができた経緯について

戦後アメリカが軍用の住宅や施設を建てるために、ブロックを製造する機械を持ち込み沖縄にもブロック造の住宅が建てられるようになります。
最初は穴のない普通のブロックを積み上げて塀やバルコニーにしていました。
しかし、それだと完全に日光がブロックで遮断されてしまい、家の中が暗くなります。
そこで穴あきブロックが作られるようになったのです。

その後、単なる穴ではなくいろいろな柄を持つ穴にしようと工夫がなされ、現在のようなたくさんのバリエーションを持つ花ブロックができあがったのです。
今ではシンプルでおしゃれな柄のものもたくさんあって、現代的な建築物にも採用されるようになっています。