大迫力のハーリーは沖縄の夏を告げる伝統行事
沖縄の夏を告げる伝統行事として知られている「ハーリー」は、沖縄の人々が待ちに待った迫力ある行事です。
旧暦の5月4日、この日は現地の言葉で「ユッカヌヒー」と呼ばれます。
この時期になると沖縄は梅雨も明けていよいよ夏本番という季節になりますが、その夏の始まりを告げるのが、ハーレー鉦(かね)と呼ばれる甲高い鐘の音です。
「カーン」という音で始まるハーリーは、地元の皆さんも観光客も熱狂する大迫力の船の競争です。
龍をイメージしているという爬龍船(はりゅうせん)という伝統的な船には多くの方々が乗り込み、呼吸を合わせて海の水をこぎます。
それぞれ地域の方々が同じ衣装に身を包み、船の上、必死の形相でこぐ姿、ぐいぐいと進んでいく船、そして競争は激しく見る者を圧倒します。
航海の安全、豊漁を願い伝統的に行われてきたこのハーリーは、沖縄各地域で行われ、いずれも熱狂し、その迫力の競争を見たいと多くの観光客が訪れるのです。
那覇ハーリーのイベントで爬龍船に乗ろう
大迫力の那覇ハーリーや糸満ハーリーは多くの観光客が訪れる有名なハーリーで、地元の方々も観光客の方々も一緒になって声援を送り、会場は熱気にあふれ一体となっていることを感じられる、観光客も大感動のハーリーです。
中でも那覇ハーリーは行事の規模も大きくたくさんの観光客が訪れる一大イベントとなっています。
ゴールデンウィークの5月3日から5月5日に開催される那覇ハーリーは、通常旧暦で行うハーリーと違い新暦で行うため、観光客も訪れやすく大人気となっています。
非常に大きな規模のイベントで船も大きな爬龍船なので迫力満点であることや、イベントで実際に競争する船に乗せてもらう事が出来るということで、たくさんの観光客、また地元の方々が楽しみに待っているイベントなのです。
那覇ハーリーで利用する爬龍船は大規模な船で装飾が非常に鮮やか、沖縄らしい雰囲気を持っている船です。
原色がふんだんに利用されている船を見ると、沖縄、南国らしいイメージでその船は海の青によく映え美しく勢いをもって進んでいきます。
船に乗るための予約などは必要なく、費用もなし、つまり予約もお金も必要なくだれでも参加できる楽しいイベントなのです。
糸満ハーレーは昔ながらの伝統を守っているハーレー
旧暦の5月4日に合わせて今でもしっかりと伝統を守り続けているのが糸満ハーレーです。
通ハーリーと呼ぶのですが、糸満ではハーレーと呼ぶ文化があります。
これは、ハレ「走る」という意味で利用されている方言があり、「ハレブネ」つまり走る船という事で、この地ではハーレーという呼び方をしているのです。
昔ながらの伝統的なハーレーを見たいという事なら、糸満ハーレーがいいでしょう。
現在でも伝統を守り続けるこの地域では、旧盆、旧正月なども盛大に祝うという文化を継承しており、古き良き伝統を今に継ぐ地域でもあるのです。
サバニと呼ばれる12人ほど乗船する爬龍船が用いられ、地域対抗レースや学校対抗レースなどに地元の方々、観光客が熱狂します。
沖縄といえば陽気で人懐こい素敵な「おばぁ」が知られていますが、おばぁ達にとってもこのレースは年に一度楽しみにしているレースです。
エネルギッシュに太鼓をたたき踊り応援する元気なおばぁ達にも注目です。
糸満ハーレーでは転覆バーレーと呼ばれるハンヌカセーも行われます。
船が転覆した時にどのように対応するのか、その技術を争うというものでいったん船を転覆させ、そこに乗り込み船に入った水をかきだしながら力を合わせてゴールするというこれもまた海人(ウミンチュ・漁師)のレースです。